手織りの帯・手作りの道具と織り方。
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手織りの道具には、次のようなものがあります。
手織りに使われるよこ糸は、機械織りのものとは違って、手でよりをかけるため織った時に、
均一ではない味が出ます。
上の写真の左下の大小の木製の波型の道具は、このようにして地もようを波型に織る時に使われます。
一枚目の写真の波型の道具の右にある木製の道具には、ランダムに釘が打ってあり、糸を
よろけさせて織る時に使われるもので、これらの道具も、それぞれの織り手さんが使いやすい
ように、自分で手作りされたものです。
よこ糸を織る時に使われる杼(ひ)も、手織りで模様を織る時には、小杼(こび)と呼ばれる小型
の物が使われます。
また、模様を織る時には、下に大まかな下絵が置いてあるだけで、後はそれぞれの織り手
さんの感性で織られていくため、同じ色柄の物を同じ人が織っても、全く同じものは織れ
ないのです。
それも手作りの良さだと思います。このようにして、手織りの帯は、材料の糸や、道具、
織る時の技術の難しさなどもふくめて、大変手間、ひまをかけられたものですが、何よりも
織り手さんの思いや愛情が込められています。
私も、何年か前に美山町の工場へ見学に伺ったことがあります。
ここには当時は、コンビニも一軒あっただけで、日が暮れるとあたりは真っ暗です。
その代りに、夜空には満点の星が輝いていました。
織り手さん達は皆さん素朴で温かく、美山町では、時間がとてもゆっくりと流れていました。
お昼ごろになると、工場に小さなトラックが一台やってきて、新鮮な食料品から、日用雑貨
まで何でも積んであり、織り手さん達は皆さんそこで買い物をされていました。
手織りは、大変神経と集中力を使うので、織り手さん達はお昼はゆっくりと休まれます。
これも、時間に追われてあわただしくしている自分にとっては、テレビで見たヨーロッパの
ある国がそうであったように、とても新鮮な感じがしました。
明日は、三月の西陣織大会で最高賞を受賞した、私がクリムトの絵のようにきれいだと
思った手織りの帯をご紹介するつもりです。
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