どうしても、残していきたい手織りの帯。
|
今年の春に京都に戻ってきてから、テキスタイルスクールから
はじまって、帯や着物にかかわるさまざまな職人さんのもとで
勉強をさせていただきました。
8月24日からは、京都の南丹市美山町にある、手織りの帯
の工場で寝泊りをして、織り手のみなさんに物づくりを教えて
頂いていましたが、それもちょうど今日が最終日になります。
昨日ご来店くださった野田淳子さんと、東京のお友達が、お店の壁にかけていた
手織りの帯を見て、「素敵な帯!」と、おっしゃってくださいました。
写真の両端にかかっている2本が、美山町で織られた手織りの帯です。
手にとって見られたのは、向かって左側の茶系の帯でした。
その軽さと、独特の持ち味である手織りの風合いに、お二人とも
感心してくださっていました。
この帯と同じ手法のものを織っているところです。
美山の工場には、現在約十人の織り手さんがいらっしゃって、一日
機(はた)に向かって、黙々と帯を織られています。
息子も、皆さんに大変親切にして頂いたようで、「美山を離れるのは
淋しい。」と、言っていました。
材料の糸から、手で撚って、手作りの道具で、それぞれの織り手さんの
感性で織っていくため、大変手間、暇、コストがかかりますが、
織りあがったものには、それに応えるだけの魅力と締め心地が
あります。
今の日本は、景気の悪さも手伝って、いかに安く、大量に作れるかを
追い求めすぎてしまっているように思います。
より安く作るために、海外の賃金の安いところに仕事を出すために
国内の仕事がなくなってしまうという、悪循環になってしまっています。
その結果、日本人の誇る、職人さんの高い技術も途絶えさせてしまって
いるのではないでしょうか?
今が、一番厳しい時代だと思いますが、なんとか伝統の技術を残して
行けるように頑張りたいところです!
私にできることは、手織りの帯の素晴らしさを、着物の好きな方に
伝えて、織り手さんの心のこもった帯を一人でも多くの人に締めて
いただくことです。
手織りの帯については、12月8日、4月24日、5月2、3、4、5日のブログにも
書いていますので、よかったらご覧ください。
ブログランキングに参加しています。
クリックしていただけると、嬉しいです。